ありえない、仕事
【田舎で起業】ペンション 黒姫高原ふふはり亭〜愛され続けるペンションでふうわり過ごす〜
2019年4月にオープンした「ふふはり亭」。前のオーナーが大切にしてきたペンションを引き継いだおふたりを取材してきました!
「ふふはり亭」と書いて「ふうわりてい」と読み、小林一茶の俳句「むまさうな雪がふふはりふはりと」(おいしそうな雪がふうわりふわりと降っているよ)から名付けられた、静かでやわらかな空気を楽しめるペンションです。
今回インタビューをした方
語り継がれていくペンション
ー趣があって素敵なペンションですね。最初からペンション経営をしたくて信濃町にご縁があったのでしょうか?
達郎さん:
会社勤めをしていくより、自分で何かをしたいと考えました。
最初は山小屋をやりたかったのですが、山小屋を始めるのは難しいな……と思い始めた時に、信濃町に山小屋風のペンションを見つけたんです。
前のオーナーさんの建物への愛情を非常に感じました。
仁美さん:
私も色々な物件を探していて……写真を見て、すごい素敵だな!と思ったのが第一印象ですし、実際に見て、このペンションに対する思い入れをとても感じました。
達郎さん:
その前は南極地域観測隊として南極に行っていました。日本に戻ってから、実際にこのペンションをふたりで見にいくことにしたんです。
移住体験施設もその時に活用させていただきました。
信濃町ふるさと移住体験施設
信濃町へ移住を検討している方、移住体験交流事業に参加される方や、移住体験交流事業を実施する団体又は個人の方を対象に体験できる施設を貸し出している。
信濃町ふるさと移住体験施設
仁美さん:
最初は値段のこともあって、数ヶ月ふたりでどうするか迷っていたんです。不動産屋さんから他に購入希望の方がいる話を何度か聞いたり、内心「素敵な建物だし、他の方が買われるなら、ご縁がなかったのかな」と思っていました。
ある日、不動産情報からペンションの情報がなくなってしまって……!
問い合わせをしたら、まだ購入されておらず、このタイミングかな!と、思いたちました。
ー前のオーナーさんの思いと土屋さんの思いが合ったからこそ、ご縁に繋がったと感じますね。
仁美さん:
ずっと気になっていたペンションだったので、タイミングと言いますか、ご縁があって良かったな。と思いますね。
自分たちが心地よいものをお客さまにも
ー「ふふはり亭」さんの想いやコンセプトを教えていただけますか。
達郎さん:
そうですね。友人がユースホステルを経営していて、立ち上げなどのお手伝いをしていた時に、泊まられている方々の表情や過ごし方を良いな。と思うことも多くて、宿をはじめるにあたって「自分たちが心地よいと思えるものをお客さまにも伝えたい」と思っています。
仁美さん:
この場所は鳥や動物たちが非常に近いんです。以前、住んでいたところも同じような環境だったのですが、あまりそういう経験はなくて。
ここに住みはじめてキツツキを間近で見ることがあったり、環境もとても良いんですよね。
鳥の声や姿をのんびり眺めたり、ゆったりした時間を過ごしてほしいなと思います。
ー県外からの移住だと不安なことも多いと思いますが、信濃町に住んでみて実際どう感じましたか?
仁美さん:
町の人々も気にかけてくれる方が多いです。
近所に物知りのおじいちゃんがいて、面白い話を聞けるし頼りになるんです。
知り合った時に「遊びにおいで!」と気軽に声をかけてくれたのがきっかけで、遊びにいくことも多いです。
80歳を過ぎて木に登って枝を払っていたり、とっても元気なんですよ!
採ってきたものを見せてくれたり、畑や野菜のことも気軽に相談できるので、身近に相談できる人がいるのは良い環境ですね。
達郎さん:
起業塾に通っていた時に知り合った方や先生も訪ねてきてくださったり、相談に乗ってくれたり良い人たちが多いです。
信濃町は助成制度も充実していると思いますね。
信濃町起業等人材育成支援事業(起業塾)/起業等人材育成支援事業補助金
信濃町起業等人材育成支援事業(起業塾)
町内において起業の創出並びに起業者及び関係者の定住等の促進を図るため、町内において起業する者に対し、事業に要する経費の一部について予算の定めるところにより補助金を交付いたします。
起業等人材育成支援事業助成金
静と動のコラボレーションを楽しむ
ーペンションを始めていく中で、楽しさや難しさはどんなところでしょう?
達郎さん:
管理状態がいい建物ではあるのですが築年数も長いので、メンテナンスをしたり、新しく改装することもあります
「やっと出来た!これで完璧!」と思った矢先、違うところで問題が起こったり……(笑)
作ったり・直したりするのが好きなので、そういったアクシデントも楽しみのひとつ。とても充実していますね。
ひとつひとつ手を入れることで、建物への愛着も湧いてきます。
ー今後はどんなペンションにしていきたいですか?またオススメの遊びを教えてもらえますか?
達郎さん:
信濃町周辺や山々を巡って、登山ガイドをしていきたいですね。グリーンシーズンを楽しめるトレッキングツアー、冬はクロスカントリーなど……そのために周りのフィールドを深く知って、案内していきたいです。
ロープワークが得意なので、ロープを使ったアクティビティも考えています。
仁美さん:
私はお料理の担当なので、畑を作って野菜やハーブを育ててみたいですね。信濃町のブルーベリーや栗、スモモを使ったお菓子作りをしたり。
「ふふわり=ふんわり」をテーマにしたメニューを開発できたら面白いかもしれませんね(笑)
森林メディカルトレーナーを取得したので、森を五感で感じて癒されるような案内もできたらいいなと思います。
達郎さん:
外でたくさん遊んで、ペンションでゆっくり過ごす。「静と動のコラボレーション」を楽しんでもらいたいです!
やりたいことはたくさんあります。お好きな方にはDIYのワークショップもいいかもしれませんね。
ー移住を考えている人、これからする人に向けてアドバイスはありますか?
達郎さん:
建物を購入する場合は建築家などの専門家に相談することですね。不動産屋さんだけの情報だけではなく、多方面から話を聞いた上でトータル的な判断が重要だな。と感じます。
信濃町は趣のある古民家も多いので……消防の基準や営業許可が昔と今で違ったりしますので。
プロの方にアドバイスをもらうのが良いのでは?と思います。
仁美さん:
信濃町は移住した方が多いので、そういった方の話を聞いたりするのもとても参考になりますよ。
まとめ
手入れの行き届いた趣あるペンションをオープンされたおふたり。ふんわりした雰囲気とアクティブな活動から、遊びと癒しを体験できます。
おふたりの前職のお話も興味深く、外でたくさん遊んだ後に、囲炉裏を囲んでずっとお話を聞けるのも、このペンションを営まれるおふたりならではの魅力だと感じました。
様々な経験からこれから生まれるアクティビティやお料理が非常に楽しみです。