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信濃町の森の魅力を森林メディカルトレーナーと移住者に教えてもらいました(後編)

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信濃町の森の魅力を森林メディカルトレーナーと移住者に教えてもらいました(後編)

ダイナミックな自然環境を持つ信濃町。その中でも今回は信濃町の森の魅力にフォーカスし、前編では森林セラピーを提供する森林メディカルトレーナーのお二人にお話を伺って、おすすめの森歩きコースも教えていただきました。

後編では信濃町で森林セラピーを体験し、森林メディカルトレーナー養成講座(以下、養成講座)を受講したあと、信濃町への移住に至ったという方にお話を聞きました。また、森林セラピーは実際にどんなことをするのか、体験された方に同行してその様子をレポートします。

お話をお伺いをした方

森林セラピーがきっかけでできたネットワークが、信濃町への移住の決め手

象の小径コース。眼下に野尻湖を見ながら歩くことができる

ーー益田さんはどのようなきっかけで信濃町をお知りになったのですか?

益田:前々からいつか自然の多いところで暮らしたいと漠然と思っていて、休みの日によく北海道や山梨など自然の豊かなところに旅行していたんです。2020年に、もう少し地元の方と触れ合う体験がしたいと思い、りんご摘果のボランティアを募集していた飯綱町(信濃町の隣町)に妻と一緒に訪れました。そのときにこの地域の山の風景がすごく良いなと思い、黒姫山のある信濃町のことを知りました。その後、信濃町のホームページをチェックしていたら、養成講座の募集をみつけて、信濃町の方と交流する機会になるかもしれないと思い、応募しました。養成講座が始まる前には、信濃町のふるさと移住体験施設を利用させていただいて1週間ほど滞在し、森林セラピーも体験しました。

ーー行動力がありますね!森林セラピーを受けてみていかがでしたか?

益田:受ける前はウォーキング感覚で、もっと森をサクサク歩くものだと思っていたんです。森林セラピーの申込みをしたときに、はじめに勧められたのは御鹿池コースだったのですが、私は日常的によく歩くので、1.2kmのコースというのは短いように感じ、もう少し距離のある象の小径コースでお願いしました。ですが、実際受けてみると、すごく時間をかけて森を味わうものだったので驚きました(笑)。
森林セラピーが終わった直後は「ああ良かったな」ぐらいの感想だったのですが、その日の夜とてもよく寝れたんです。その頃睡眠が浅かったので、すごく眠れたことに驚いて、やっぱり森っていいんだなと思いました。あと、案内してくださったトレーナーさんが最後に「また森に来てくださいね」と言ってくれたのがすごく心に残りましたね。単純に、じゃあまた行こうかなという気になりました。

象の小径コースにある入江からは対岸が望める

ーー最終的に信濃町に拠点を持つ決め手になったのは何だったのでしょうか。

益田: 雪が多い土地で大丈夫かなという心配もありましたが、やっぱり森林セラピーを受けて信濃町の森が良いと思ったのと、養成講座を受講していろんな方とお知り合いになれたというのは大きかったと思います。知り合いが全然いないまま急に新しい土地に行くのは不安でしたが、ある程度ネットワークができたので、ここならやっていけるなという自信になりました。

ーーたしかに知り合いが一人でもいると心強いですよね。実際の信濃町での暮らしはいかがですか?

益田: 仕事で定期的に東京に行くのですが、早く信濃町に戻りたいと思ってしまいますね(笑)。信濃町の古間駅に着いたら「やっと帰ってきた」と心が軽くなります。
また、こっちはやっぱり涼しいので、夏の間の仕事の効率が違いますし、体調も全然違いますね。
ご近所の方も近過ぎず遠過ぎずの距離感で居心地が良いですし、仕事でなかなか参加できていないですが、養成講座で知り合った方の集まりに誘っていただく機会もあります。

ーー今も森に入られることは結構あるんですか?

益田: 月に1、2回は一人で黒姫の森に歩きにいったりしています。トレーナーさんに安全なルートや知識を教えていただいたので一人でも安心感がありますね。冬は新雪の御鹿池コースを妻と一緒にスノーシューで歩いたり。それも、講座で何度か案内してもらったコースで、地形を理解しているからこそできていると思います。

ーー最後に移住を考えている方にアドバイスをお願いします。

益田: その土地に何度も足を運んで、地元の方と交流する機会を持つのは大切だと思います。僕も、養成講座を受けた以外に、信濃町でいろんなペンションに泊まってオーナーさんに話を聞いたり、移住者がやっておられるお店へ足を運んだりしたことで、移住して来られた方のリアルな生活を知ることができて、自分が信濃町に住んだときのイメージを持つことができました。「移住を考えているんです」と口に出すことで、いろんなアドバイスをいただけることもあるので、積極的にコミュニケーションを持つといいと思います。

森林セラピーを体験される方に同行させてもらいました!

益田さんが「森をじっくり味わうものだったので驚いた」と話された森林セラピー。実際に体験をされるという方に許可をいただいて、同行させてもらってきました。

霧が巻く黒姫童話館前で集合

この日の待ち合わせは午前9時。黒姫高原は霧が多いことで知られていますが、この日も濃い霧がかかっていて幻想的な雰囲気が広がっています。

森林メディカルトレーナーの高力(こうりき)さんに迎えていただき、森林セラピーのスタートです。
体験者のお二人は黒姫高原に来られたのがはじめてということで、高力さんが黒姫の森の特徴や、ゆかりの人物のお話などをしてくれました。

黒姫童話館の前にある大きなモミの木の下に入って、葉の香りをかいでみます。体験者からは「いい香り~」という声が。森林セラピーでは視覚だけでなく、聴覚・味覚・触覚・嗅覚の五感すべてを使うことが大切なのだと高力さんに教えていただきました。

御鹿池コースへ

いよいよ森林セラピーコースに入っていきます。全長1.2kmの御鹿池コースの入り口では、木彫りの看板が出迎えてくれます。

コース内に生息している動植物についてのお話を聞いたり、水音や鳥の声に意識的に耳を傾けたりしながら、ゆっくりと森の中を進みます。

森でおこなうプログラムを体験

森の癒やしをより効果的に取り入れるため、様々な体験を行っていきます。
例えば爪もみ。トレーナーの高力さんが近くに生えていたクロモジの枝を切って渡してくださり、それを使って爪の周りのツボを刺激していきます。

次は水療法。小川の中に足をつけて、自然の水を肌で感じます。
他にも、丹田(たんでん)式深呼吸で、森の新鮮な空気を味わうなど、普段の生活の中でも近くの公園などで実践することができる方法を教えていただきました。

道具を使ってみることも

小川の近くで高力さんが取り出したのは聴診器。「これで水音を聞いてみると、また違った音が聞こえますよ」。その案内の通りに、体験者のお二人は聴診器の角度を変えながら、水の音に耳を澄ましていました。
また、別の場所ではルーペを貸していただき、植物の葉やコケの様子を観察する場面も。

このように五感で森を楽しむための補助として、必要な場面では道具を使うこともあるそうです。

自分ひとりの時間を思い思いに過ごす

森林セラピーではトレーナーの案内を受けるばかりではなく、自分ひとりで過ごす時間も設けられます。自分が心地よいと思う場所を見つけて、寝転んだり、ストレッチしたり、森の中で好きなように過ごすことができます。気持ちが良くて眠ってしまう体験者もいるそうですが、近くにトレーナーがいてくれるので安心です。

お二人がひとりの時間を過ごされている間に、高力さんはコース内で見つけたクロモジの葉を煮出して、クロモジ茶を用意されていました。これには体験者もびっくり。「高力さんの大きなリュックに一体何が入っているんだろうと思っていましたが、こんなものまで用意してくれるなんて。すごく贅沢!」
知識のあるトレーナーと歩くと、味覚で森を感じることもできるのですね。

あっという間の3時間

コースを回って黒姫童話館の前に戻ってきたのは12時ごろ。霧はすっかり晴れて、山々を見渡すことができました。天気によって異なる表情を見せる風景を味わえるのも、この場所の魅力です。

最後に体験者に感想を伺うと、
「いろんな香りや音を楽しめたのが良かったです。五感を使うことで、自分では気づかなかった体調の変化に気づくことができました。」
「森の中で五感をひらくことの大切さがわかりました。歩くことを目的とする森歩きとは全く別物で、水に足をつけるなどいろんな体験ができて良かったです。」
と話しておられました。
同行させていただきありがとうございました!

信濃町の森で人と繋がり、自分の心と体とも繋がろう

今回の記事前編・後編を通じて、信濃町の豊かな森は、森の中での時間を楽しませてくれるだけでなく、新しい人との出会いや交流のきっかけのひとつとなっているということが分かりました。
田舎に行くと自然が多くて癒されると思われている方は、さらに一歩進んで、信濃町の癒しの森を体験しに来られるのはいかがでしょうか。

森林セラピーや癒しの森プログラムの体験お問い合わせ
しなの町Woods life community
026-255-5925(受付時間 9:00〜17:00)
http://iyashinomori.main.jp/contact/
森林メディカルトレーナー養成講座に関するお問い合わせ
信濃町 産業観光課 商工観光・癒しの森係
026-255-3114(受付時間 8:30~17:00)

ライター よしし

兵庫県出身。2019年に信濃町に移住してきました。仕事の空き時間を見つけては野尻湖に浮いたり、森歩きをしたり、愛猫4匹とゴロゴロしたりするのが至福です。

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