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ありえない信濃町通信

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「地域おこし協力隊」の3人が語る、信濃町で実現した理想のライフスタイルとこれから

ありえない、仕事

「地域おこし協力隊」の3人が語る、信濃町で実現した理想のライフスタイルとこれから

信濃町を知っている人も知らない人も、こんにちは。

秋の信濃町といえば、キノコ狩りを楽しみにしている人も多いですよね。
近隣の山に入れば、天然なめこやクリタケ、舞茸などいろいろなキノコに出会えるかもしれません。

今回は、信濃町で「地域おこし協力隊」として活動する3人の方のインタビューをお届けします。

地域おこし協力隊として、それぞれの想いを抱えて信濃町に移住してきた3人。3年間の任期の最後の年を迎え、これまで信濃町で担ってきた仕事やその暮らしぶり、任期を終えたあとの未来についてなど、日々、どんなことを思って暮らしているのか語ってもらいました。

■今回のインタビューはこの人

信濃町だからできる夢の生活

雪山好きにとっては最高の環境

ーーまず、信濃町で「地域おこし協力隊」になったきっかけについて教えてください。

西田さん:僕はもともとスノーボードや登山が趣味だったこともあり、昔から長野に移住したいという願望がありました。前職で英語を使って海外と関わっていたこともあり、長野でも英語を生かした仕事をしたいと思っていたんです。

ちょうど仕事をやめたタイミングで、信濃町がインバウンド事業での地域おこし協力隊を募集していてぴったりハマった形ですね。

浅山さん:僕も以前から移住の思いがあって、色んな移住ツアーやセミナーに参加してきましたが「さあ動くぞ!」というタイミングで仕事が忙しくなってしまったり、プライベートで変化があったりということを繰り返して、実際に行動するまではいかなかったんです。

ようやく決意できたタイミングで見つけたのが、信濃町の地域おこし協力隊でした。それまで信濃町に縁はなくて、妙高などに行く通過点という認識しかありませんでした。ただ、通過点=今より山に行くのに便利なところ、自分が理想とする「スノーボードが生活の一部になる」ライフスタイルの実現ができるのではないかと考えました。

新井さん:僕の場合は、Webでなんとなく調べていたときに、信濃町の「地域おこし協力隊」の募集に出合った形ですね。当時は、スキーやスノーボードを始めたばかりで、雪山が身近にある暮らしに憧れていたのと、将来的に自分の中で農業を軸にしたなにかをやりたいという思いがあったので、応募しました。

ーー地域おこし協力隊としての初年度はどうでしたか?

西田さん:ちょうど僕がきた年が、町も本格的にインバウンド事業に本腰を入れて取り組もうというタイミングだったんです。

インバウンド関連の仕事では、多言語対応のWebサイトやパンフレットの制作、海外旅行会社との商談会や旅行博での情報発信、次年度以降のインバウンド事業の取り組みの計画立案などを行いました。産業観光課ということもあり、初年度は本当にたくさんの人にお会いしました。当時は、人の顔と名前を覚えるのが大変でしたね(笑)。

浅山さん:僕は定住促進係の一員として、まず自分が「移住しよう!」と考えた時に悩んだことや気になったことを移住検討者目線で可視化することに取り組みました。

「移住で人を増やそう!」というのは大体どこの地方自治体もやっています。自分自身が取り組んでみて強く感じたのは、今住んでいる町の方たちが「これからもずっと信濃町で楽しく暮らしていきたい(定住)」と思えるキッカケ作ることもそれ以上に大事なのでは? というところでした。

移住検討者はそこに住んでいる人の暮らしぶりに自分の未来を照らし合わせます。そこに暮らす方たちが楽しく毎日を過ごせていないのに「来い来い!」と言っても、土台無理な話ですよね。移住検討者だって「これから楽しく暮らせる場所」を探してますから。

その為にも地元の人が当たり前だと思っている「町」の価値を再認識してもらうイベントや場面を作る。それをやるには外からの目線がとても大事なんです。地域と多様に関わる関係人口をどうしたら増やせるのか? そこからでした。

実際、幅広い世代と関わらせていただき、信濃町が持っている自然の素晴らしさなどの価値についてあらためて発見が多く、初年度は本当に刺激的に過ごしました。

新井さん:僕もみなさんと同様、初年度はたくさんの人に会って名前と顔を覚えてもらう1年でした。僕の場合は、小さい畑を借りて実際に自分で農業にも取り組みました。そこで町内や東京の人に農業体験をしてもらったり、信濃町での暮らしや農業に関する情報発信をしたり、町を知ってもらうためになにができるのかを自分の中で考え、実践していました。

ただ、信濃町の農業に携わるようになって感じたのは、困っている人があまり表に出てこないということでした。自分はそこを改善したかったのですが、初年度はその課題を把握することで終わってしまいましたね。

特別な「なにか」をしなかったからこそ、受け入れられた

ーー町の一員として溶け込むためになにか工夫はされましたか?

西田さん:特になにかをしたということはないですね。地域おこし協力隊という立場もあり、イベント運営の仕事などを通じて関わる人も多く、自然と溶け込めていったと思います。

あとはお祭りなどの行事に参加したり、スキー場で一緒に滑ったりと、積極的に交流することによって、つながりは増えていきましたね。

浅山さん:良いのか悪いのかわかりませんが、何も特別なコトをしていないからこその「今」なのかなと。大切なのは、常識ある社会人としてマナーを守った上で、感じたことをできるだけストレートに伝えることだと思ってます。

新井さん:僕の場合は人見知りだということもあり、どうやったら信濃町に受け入れてもらえるんだろうかと考えてしまうことも多くありました。

ただ、最初の半年でかなり疲れちゃって……。嫌われてもいいし、変に気を使うのをやめようと思ってから、たくさんの人と接することができるようになりましたね。いわゆる信濃町デビューの人間です。

美味しい野菜に水が当たり前にある環境

ーー移住してきてライフスタイルの変化はありましたか?

西田さん:そうですね。この町に移り住んですごくいいなと思うのは、朝の山の表情を見てから予定を決められることです。

自然が近いからこそできることはたくさんあると思っていて、実際ここにくるまでもスノーボードをしていましたが、今では雪解けの頃の山菜採りも楽しみになっています。それに春だけじゃなく、夏も秋も一年を通してそれぞれの遊びを楽しめて最高ですね。

浅山さん:僕も西田さんと趣味が同じなので思うところは一緒です。今までは関東から通いで週末の数時間の為にエネルギーを使っていたんですけど、ここにきたら本当に山が近い。

朝の天気次第で滑りに行く場所を決め、雪のコンディションが悪かったら帰ってくればいい。なにより、家から滑る格好をしてそのまま雪山に行けるのがいい(笑)。

前職はプレイングマネージャー的な仕事でしたので家に帰ってくる時間も遅く、早くて24時前の就寝。そこから朝5時に起床という生活でした。信濃町に移住して生活のリズムが思いっきり朝型になりました。今ではなにもなければ21時に就寝して朝4時には起きています。あ、これは年齢的な部分か(笑)。

あと、この町では当たり前な水とか野菜の美味しさは日々感じます。1年目は野菜や米の美味しさに感動。2年目になるとその感覚が麻痺。美味しいのが当たり前になっていました。

ただ、出張で東京などに行くと信濃町のありがたみに気が付くんです。

都会は選択肢は多いけど、「本物」になかなか出会えない。

西田さん:本当にそうですよね。信濃町はお店が少ないから、東京とかでいろいろお店があるのをうらやましく思うこともあるんですが、クオリティが全然違う。定食とかそばとか本当に美味しくて、このクオリティを東京で食べたら一体いくらかかるんだろうって(笑)。

浅山さん:地元の人が当たり前になっている美味しいものに対して、キチンと美味しいと言うことはとても大切だと思ってます。

新井さん:僕の場合は、仕事で大学生の受け入れを行い、信濃町の自然環境の良さ、野菜の魅力を伝えています。私生活でも、いろいろな地域の老若男女と接する機会が増え、自分も毎日新しい発見ばかりで新鮮な日々を送っています。

五感を刺激する生活。四季折々に合わせた遊びを楽しむ

西田さん:信濃町に移ってきて、本当に四季を意識する生活に変わりましたね。都会だと四季を感じづらいんですけど、こっちは山や木々の色づき、田んぼの変化などですごくわかりやすい。春から冬までそれぞれの時季にあった遊びを楽しんで、四季に沿ったライフスタイルが送れています。

浅山さん:都会で暮らしているときは、仕事で拘束される時間が長く、五感を刺激しづらい暮らしでした。でも、信濃町は暑さも寒さもはっきりしているし、それぞれの季節にあった匂いや味もあって、いい感じに五感を刺激する暮らしができてると思っています。

新井さん:私の楽しみは、毎朝起きて山を見ることなんです。月並みな言葉になってしまうんですが、こっちにきて全力で「自然が好き」になりました。遊びも食もいろいろなところで楽しんでいます。

ーー最後に、地域おこし協力隊の任期を終えたあとどんなことをやりたいと考えていますか?

西田さん:僕はこのエリアに残って起業しようと考えています。具体的には、信濃町をベースに北信越地域で自転車や登山のガイドツアーを作りたいと思っています。

地域おこし協力隊としてやってきたインバウンド事業の経験を生かし、国内のみならず、海外のお客さんにもこの地域の自然や歴史、文化の魅力を伝えていきたいですね。

3年の任期の中で、本当にたくさんの人とお会いすることができたので、将来的にはそこで出会った方々となにかしらの形でコラボレーションもできたらなと考えています。

浅山さん:僕は、もともと協力隊になる前から3年後のビジョンを考えて下準備をして移住してきたつもりでしたが、実際にこの町で地域おこし協力隊として様々な視点で関わることで、思い描いていたビジョンとは少し変化が出てきています。

30年近くずっと建築業界で仕事をしてきたので、移住・定住のライフスタイルの相談、地方の建築・建設業に関わるコンサルティングというのも先々仕事の一つとして考えていけたらいいなと思ってます。
その為に、不動産とファイナンシャルプランニングの勉強を始めました。

新井さん:僕の将来的な目標は、信濃町で農業をやりたいと思っています。地域おこし協力隊で地域の人やいろいろな人に出会えてとても素晴らしい経験が出来たので、今度はみんなが集まれる「場」を作れるといいなとも思っています。ただ、今の自分ではまだまだ知識もないし、足りない部分が多いと感じています。

だから、任期が終わったら、一度信濃町の外に出ようと思っているんです。日本のみならず、海外などをまわっていろいろな世界を見てきた上で、この町に戻って信濃町の農業を盛り上げていきたいなと。あとは……、結婚したいですね(笑)。

一同:(笑)。

ありえない、いなかまち、で夢のライフスタイル

地域おこし協力隊として、信濃町を盛り上げるために尽力してきた3人。インタビューの中では、自分たちの理想のライフスタイルを実現できたからこそ見えてきた信濃町の魅力についての話が止まりませんでした。

信濃町への移住を考えている方は、ぜひ移住・定住促進係にお問い合わせください。「移住ってどうすればいいの?」「移住したあとの生活は?」といったお悩みに、移住者として暮らしてきた浅山さんが、親身に相談に乗ってくれますよ。

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