ありえない、仕事
【田舎で起業】「ヴァリアスカーズ」大澤さん
【田舎で起業】の連載では、田舎で起業した人たちの創業にかける想いや大変さなどをお届けいたします。
「起業等人材育成支援事業」(通称:起業塾)とは
信濃町で新しい事業を起こす起業家の方、または既存の経営の改善・変革となる「第二の創業」を目指している経営者の方、若手経営者及び後継者、幹部育成のために、経営者としての心構え~収益性・資金調達方法~経営計画(ビジネスプラン)作成までを具体的な起業事例等を交えながら、体系的に学ぶ機会を提供し、参加者の起業等に対する包括的な支援を行ないます。
連載第二回目は、地元に自動車板金塗装屋を開業した「ヴァリアスカーズ」の大澤さん。
信濃町が地元の大澤さんが、信濃町で起業をするに至った理由はどこにあったのでしょうか。
それでは、いってみましょう〜
「ヴァリアスカーズ」大澤さん
創業のきっかけ
- 起業のきっかけを教えてください
大澤さん:
車が好きで、高校卒業後に長野市の板金屋さんに就職をし、16年間勤めました。
長野市の板金塗装屋のレベルが高いんです。
それは競争が激しいからだと思っています。
しかし、地元を見渡すと、業者の数も減っていて競争が年々無くなってきている。
そんな状況を見ながら、いつかは信濃町に戻って「信濃町でもここまでできるよ!」ということを証明したいと思うようになりました。
独立願望を持ちはじめたのですが、実際に「独立」って何をしたらいいのかわかりませんでした。
そんな時に、起業塾のチラシを見て行ってみようと思いました。
起業塾へは、長野市の職場で働きながら通いました。
そして、卒業した3ヶ月後にヴァリアスカーズを立ち上げました。
信濃町でビジネスをする
- 信濃町でビジネスをしてみて、どうですか?
大澤さん:
本当に大変です!リスクの方が大きいと思います(笑)
やはり田舎なので、お客様の数がとても少ないです。
長野市にいた頃は、競合の業者も多かったですが、その分、お客様の数も田舎とは桁違いでした。
ただ、信濃町に拠点を移した今、長野市にいた頃よりも不思議と心に余裕があります。
開業したての頃は徹夜することもありましたが、それでも苦になりませんでした。
職場には、近所の友達や常連のお客様がよく遊びに来てくれたりします。
そこで紹介や口コミが広がることもあり、お仕事につながるケースもよくあります。
いま、開業して3年が経ちますが、これまでにチラシを打ったりしたことはありません。
そして、お客様の8割くらいが信濃町の方です。とても有り難く思います。
起業塾をこう活かした
- 起業塾をどのように活用されましたか?
大澤さん:
「起業」の仕方がわからなかったので、起業塾の受講はとてもためになりました。
一緒に受講した方や、役場や商工会の方など、一気に信濃町に知り合いが増えたこともよかったです。
最近では、「起業塾の卒業生として話してほしい」などのお話もいただくことがあり、その後も繋がりが続いています。
補助金は開業資金にあてました。
板金塗装屋の道具や塗料は、非常に高価なので、あっという間になくなりました(笑)
これからの目標
- これから信濃町でどんな展開をしていきたいですか?
大澤さん:
私たち板金塗装屋の仕事の大半は、車を擦った、ぶつけた等の破損を直す仕事です。
それって、お客様もネガティブな気持ちでいらっしゃることが多いです。
私は車が好きでこの仕事を始めたので、車が好きなお客様のためのサービスもたくさん用意しています。
例えば、エンジンクリーニングや撥水コート、車の塗装など、車好きな方が車をケアできるようなメニューがあります。
そんなポジティブな気持ちでご依頼いただく仕事を増やしていきたいと思っています。
車好きな方って、本当に話が合うんですよね。
私なんか、燃費を悪くするカスタムが大好きで、時代と逆行しています(笑)
でも、車好きなお客様だと、それをわかってくれるんですよね。
ありえない、いなかまちで起業しよう
お客様の数が都市と比べて圧倒的に少ない田舎ですが、田舎は田舎なりの戦略があるんですね。
田舎での起業に興味のある方は、是非、一度、信濃町に訪れてみてください!
都市では見かけない「田舎の戦略」を見つけることができるかもしれません。