ARTICLE
ありえない信濃町通信

TOP > ありえない信濃町通信 > テレワークは森の中で!ワーケーションに最適な信濃町ノマドワークセンターがすごい

テレワークは森の中で!ワーケーションに最適な信濃町ノマドワークセンターがすごい

ありえない、仕事

テレワークは森の中で!ワーケーションに最適な信濃町ノマドワークセンターがすごい

こんにちは! いつもは東京で働いているフリーライターの小村トリコです。

最近、「ワーケーション(workation)」という新しい働き方が注目されているのをご存じですか? これはワーク(work)とバケーション(vacation)を組み合わせたアメリカ発祥の造語で、いつものオフィスを離れてリゾート地や帰省先などで働きながら休暇をとること。

私自身、フリーランスのライターとして独立して2年ほど経ちますが、身にしみて感じるのは、モチベーションのコントロールがとても難しいということ。仕事が詰まっているときは外に出る余裕もなく、数日間ずっと家にこもっていることも。だんだん気が滅入ってくるので、たまには外の空気を吸おうと無理やり遊びに行くのですが、頭の中は仕事のことでいっぱい。結局、時間を無駄にしたと後悔することになったり……。

そんなときこそ「ワーケーション」なのです。大自然の中にいながら、オフィスとしての機能が充実していて、普段とは異なる環境でリフレッシュしながらも、普段通りにサクサク仕事が進められる。ほどよく休んで、ほどよく働ける。そんな理想的な場所が、近くにないものでしょうか。

……あっ、あった! 長野県信濃町にありました。

長野県信濃町のノマドワークセンターの外観。夕暮れが近づき、ガラス張りの壁から建物の中の明かりが見える
写真提供: NPO法人 Nature Service

2019年5月にオープンした「信濃町ノマドワークセンター」は、法人向け貸切型のリモートワーク施設です。使われていなかった町営の施設をリノベーション したそうで、コンセプトは「非日常と日常をつなぐバリアフリーなワークスペース」。

やすらぎの森オートキャンプ場の敷地内にあるため、春から夏にかけては、楽しそうにキャンプする人たちの姿が窓から見渡せます。

信濃町の森の中にあって、都会にいるのと変わらない充実の設備で仕事ができます。さっそく中を見せてもらいましょう!

テレワークにぴったり!最新鋭の機能を備えたオフィススペース

長野県信濃町のノマドワークセンターの内部。オフィスの壁がガラス張りになっていて、外の森が見える
会議ブース、メイクラボ(工作室)もガラスの仕切りなので、どこにいても窓外の緑がよく見える。写真提供: NPO法人 Nature Service Service

28ヘクタール(東京ドーム約1.8個分)の敷地の中にあるノマドワークセンターは、360度を森に囲まれています。ナウマンゾウの化石の出土地として知られ、カヌーやヨットなど水上スポーツを楽しめる野尻湖まで車で10分。また、信濃富士とも呼ばれる黒姫山まで車で30分程度と、仕事のあいまに自然体験に出かけることもできるのです。

長野県信濃町ノマドワークセンターの内部の様子。オフィスの窓の外に森が見える
コピー機やプロジェクター、3Dプリンタまで、ノマドワークに最適な設備が整っています。Wi-Fiもサクサクで安心! 写真提供: NPO法人 Nature Service

フットワーク軽く移動しながら行く先々で仕事をする人たちの働き方「ノマド」を、野山の中にある「野窓」(のまど)にかけて、施設内のすべての部屋に「森の見える大きな窓」がついているのが特徴です!

壁一面のガラス窓の外には、やすらぎの森オートキャンプ場が見える
こんな景色を眺めながら仕事ができるなんて最高ですね! 写真提供: NPO法人 Nature Service Service

ここ最近は新型コロナウィルス感染対策がきっかけとなり、1つのオフィスに社員が集まるより、いろいろな場所でテレワークする働き方があらためて注目されています。IT技術が進んだいま、都会のオフィスにいる必要がなくなり、大自然の中でも遜色なく、いやむしろ心身ともにより健康的に、より快適にテレワークできる環境が整ってきています。このノマドワークセンターがまさにそう!

豊かな自然と地元産の木材に囲まれて

長野県信濃町ノマドワークセンターのコワーキングスペースで、談笑する若者たち
コワーキングスペースは天井が高くて開放感たっぷり。各所に充電スポットを完備 写真提供: NPO法人 Nature Service Service

そしてメインは、広々としたコワーキングスペース! 最大40人くらいの利用を想定しているそうで、壁一面のガラス窓と高い天井が印象的です。

座面をヒモで吊るしたユニークな形のイス
座面をヒモで吊るしたユニークな形のイス。座るとハンモックのようにユラユラ揺れて、ちびっ子も大人も大興奮 

コワーキングスペースのあちこちに、やわらかな風合いの木製家具が並びます。

木工作家の松木啓直さん。自作の木製ベンチに座って
木工作家の松木啓直さん。自作の木製ベンチに座って

「これらの家具には、信濃町近辺でとれた木材を中心に使用しました」と話すのは、家具の制作を担当した長野県生まれの木工作家、松木啓直(まつき ひろなお)さん。

「地元の木を地元で使ってあげるのが、やっぱり一番なじみがいいんですよ。標高の高い信濃町で育った木は年輪(ねんりん)がぎゅっと詰まっていて、丈夫で長持ちします。制作にあたっては地元の木材業者の方を直接訪ねて、1本ずつ良質な丸太を選ぶところから始めました。森の景色と一緒に心地よく楽しんでいただける、よいものができたと思っています」(松木さん)

「森に入ると、人は元気になる」仕事のために自然を活用

Nature Serviceの赤堀さんと鈴木さん
朗らかな笑顔で話す赤堀さんと、PR担当の鈴木歩さん。この施設では、いつもより時間がゆっくり流れている気がしました

信濃町とタッグを組んで今回のプロジェクトを主導したのは、埼玉県坂戸市に本部を置く特定非営利活動法人 Nature Service(ネイチャーサービス)です。同法人では、森林に関わるイベントや施設の運営など、自然体験を推進するためのさまざまな活動を行っています。

Nature Service代表の赤堀哲也(あかほり てつや)さんは、NPO法人を立ち上げたきっかけについて「私が経営している会社のメンバーが鬱(うつ)病を患ってしまったとき、どうすれば社員の心の健康を保てるのかと真剣に悩んだこと」と話します。

「あるとき、会社のメンバーから『どうして社長は鬱にならないんですか?』と聞かれたんです。思い当たったのは、私は小さな頃から自然が大好きで、今でもよくキャンプに出かけているということでした」(赤堀さん)

「森の中にいれば、人はからだもメンタルも元気になる。おそらく誰もが感覚的に理解していることですが、私たちは実際に脳波測定の実験を行って、これを科学的に立証しました。ITと自然が同居するノマドワークセンターは、忙しい現代人が自然のパワーをもらうのにぴったりの場所です。自然に入ることは単なる『遊び』ではなく、『より良く働くための効果的なアクティビティ』だと実感してほしいですね」(赤堀さん)

新しい働き方としてのワーケーション、ぜひノマドワークセンターで体験してみてください!

信濃町ノマドワークセンター
住所:長野県上水内郡信濃町野尻1200-45
Webサイト: https://nwc.natureservice.jp/

◆ノマドワークセンターは、1カ月単位、1週間単位、1日単位で、法人向け貸切型オフィスの提供を行っています。原則として、個人単位での利用はできませんので、ご注意ください。

取材・文・写真:小村 トリコ

ありえない編集部

長野県信濃町の移住者支援Webサイト「ありえない、いなかまち。」編集部です。
長野県北部のいなかまち信濃町の暮らしの中にある「ありえない」おもしろさを発信しています。

\こんな記事も読まれてます!/