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ありえない信濃町通信

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登山好き移住者必見!登山ガイド目線で見る信濃町の魅力とは?

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登山好き移住者必見!登山ガイド目線で見る信濃町の魅力とは?

信濃町は長野県の中でもとくに自然の豊かな場所。そのため、さまざまなアウトドアスポーツが盛んです。トライアスロン、自転車(ロードバイク、MTB)、SUP、スキー、スノーボード・・・。

今回ご紹介する移住者は、登山を楽しむ方の健康と安全をサポートする登山ガイドの磯谷 優さん。大阪出身、ニュージーランドに留学経験のある磯谷さんが、なぜ信濃町に移住しようと思ったのかインタビューしてきました。

登山をしている方や登山に興味がある方、そして「信濃町っておもしろそう!」と今思ったあなたは、ぜひ最後まで読んでみてください。

今回インタビューした方

高校生のときにニュージーランドへ

――磯谷さんは大阪出身だとお聞きしました。

高校一年生までは大阪で暮らしていました。二年生のころにニュージーランドの高校に留学しています。その間に両親が兵庫県の淡路島に引っ越したため、今は実家が淡路島にあります。

――ニュージーランドの高校に行くきっかけは何だったのですか?

高校一年生の頃は進学校で勉強や部活動に励んでいましたが、その忙しさに疲れてしまいました。ちょうど通っていた高校が英語留学に力を入れていたり、従兄弟も留学していたりしたため、私も留学しようと思いました。はじめは短期留学のつもりでしたが、結局ニュージーランドで2年間過ごして現地の高校を卒業しましたね。

――ニュージーランドで一番楽しかったことは何ですか?

留学先の高校でやったアウトドアの授業が一番楽しかったですね。私がもともと住んでいた場所(大阪)は比較的都会だったためニュージーランドの中でも田舎にある高校を選びましたが、そこがカヤックやハイキングが盛んに行われている学校で。それが本当に楽しかったです。

自分のやりたいことが見つかった瞬間

磯谷さんのバックパックの中はガイドで使ういろんなツールでいっぱい

――山岳の道に進もうと思ったきっかけは何だったのですか?

大きなきっかけは留学中のアウトドア体験でした。帰国の期限が近づいた高校三年生の夏、カヤックを楽しみながらも、大学受験のために日本の英単語帳を広げて勉強するという”もんもんとした日々”を送っていました。そんなふうに過ごしていた夏休み、学校の授業で3泊4日のシーカヤックの授業に参加しました。目の前に広がる海を眺めながら「これが終わったら、勉強するのか。もったいないな・・・」と思いましたね。それと同時に「受験って何だろう?受験をして何になるのだろう?」と思ったのです。その瞬間、自分がやりたいことはこれだ!と明確になりました。

――磯谷さんが本当やりたいことは大自然の中にあったんですね。その後はどういう展開になったのですか?

その後、両親に電話して言った一言が「受験勉強やめます」でした。両親は驚きつつも「自分たちが厳しく育てられた分、娘には好きなことをさせてあげよう」と思ってくれたようで、許してくれましたね。もともとは有名なヨーロッパのアウトドア関係の学校への進学や、ニュージーランドで自然を学ぶことも考えていました。でも、ふとした瞬間にホームステイ先の家族が「日本にはアウトドアの学校はないの?」って言ってくれて。そこで、Google検索したところトップに出てきた学校が新潟県妙高市にある国際自然環境アウトドア専門学校 (通称i-nac)でした。この学校なら両親も支援してくれるという話だったので、日本へ帰国しました。

――山を好きになったきっかけは何だったのですか?

本当はカヤックがやりたくてi-nacに入学したので、はじめは登山が楽しいと思いませんでした。でも、ある先輩と戸隠連峰の高妻山に登ったときに「めっちゃ楽しいっ!」って思いましたね。登山はしんどくて大変ですが、そのときはしんどさも不思議と楽しいと思いました。山頂に立ったときすごく気持ちいい!!と思ったことを今でも覚えています。

信濃町移住したきっかけは人の温かさ

――信濃町へ移住した経緯を教えてください。

今思うと、タイミングがたまたま合ったという感じでした。当時は信濃町だけでなく妙高市でも家を探していました。妙高山も好きだし、高妻山も好きだし、鳥居川も好きなので、そういった場所にアクセスできる町に住みたいと思っていました。そんなとき、信濃町のいろいろな方が親身になって相談に乗ってくれました。信濃町役場の定住支援員の方にもお世話になって、「こんなに親切にしてくれる人もいるんだ!」という気持ちが強くなっていたころ、タイミング良く家が見つかりました。

遠すぎず近すぎず、でも共感しあえる関係

――信濃町の住民の方との関わりはどうですか?

今年、自治会の班長になって地元の方との関わりは増えました。すごく良くしてくれる方が多くて居心地は本当にいいですね。ただ、移住者同士の方がフィーリングが合うこともあります。移住者は信濃町に来たいと思って来て、住みたいと思って住んでいるという点が地元の方とは違うのかもしれません。ただ、地元の方も移住者も関係なくみんなやさしいし、入り込みすぎない良い距離感があります。でも、入り込みたいと思ったら自分から入り込めば受け入れてくれる。そういうところがすごく好きですね。「ご飯食べてきない!(ご飯食べていって!)」と言ってくれる方もいて、本当の家族のように関わってくれるのがうれしいです。

トンネルを越えると世界が変わる

――登山ガイド目線で信濃町や周りの町を見ると、どういったイメージがありますか?

妙高山、黒姫山、飯縄山(いずれも信濃町内、あるいは隣接)と同じような大きさと形の山が三つ並び、北(新潟県上越市)へ行くと海(日本海)があって、南へ降りると都会(長野市)があるという条件がそろっているのは珍しいと思います。地域によって植物の種類が違うから、少し移動するだけで広葉樹が楽しめたり、はたまた針葉樹が楽しめたりといろいろな植物を見られますね。信濃町から新潟県妙高市の方へ行くトンネルを抜けると、がらっと植物の性質が変わるんです。登山ガイドとしては、近い距離に気候の違う似たような山があるのはありがたいです。たとえば、信濃町周辺の山の天候が悪くても、少し足を伸ばして上田市の菅平の方へ行けば山に登れるぐらいの天候ということもあるので。

今後はインバウンドにも力を入れていきたい

――登山ガイドの仕事ができない時期は、どのような仕事をしていますか?

新潟県妙高市(信濃町の北隣)にある妙高高原ビジターセンター(以下、ビジターセンター)のスタッフとして通年働いています。とはいえ、メインは登山ガイドなので、働けるときだけ働いているといった感じですね。もし、怪我をしたときには登山ガイドの仕事ができないので、バックアップにもなると思っています。秋になると登山ガイドの仕事も落ち着いてくるので、山に雪が降りはじめるとビジターセンターの仕事も増やすと思います。他にも、自分の出身校であるi-nacの英語の先生をやったり、火打山(妙高市)の高谷池ヒュッテという山小屋のお手伝いもする予定です。今後は外国人の方を相手にツアーガイドもやっていきたいと思っています。

野尻湖で泳ぎ、川で釣ったイワナを刺身で食べる

――野尻湖ではどういう楽しみ方をしますか?

皆さんがよくやるのはヨットやSUPですが、私は泳ぐのが好きです。野尻湖は海とはまた違った良さがあって気持ちよくて、家からも近いので「バーっと行って、少し泳いで帰る」っていう感じです。

――山遊びではどのような遊びをしていますか?

釣具を持って川にいき、川でイワナを釣って素焼きにします。刺身で食べることもありますよ。釣ってその場でさばいたイワナは脂がのっていて、めちゃくちゃおいしいです!その後はタープテントを張って1泊したり、次の日にまた釣りをしたりして楽しんでいます。

信濃町とギブ&テイクの関係になりたい移住者に来てほしい

――どういった方に信濃町に移住してきてほしいですか?

私は地域に関わる生活が温かくて好きです。登山ガイドをしていると、お年寄りの方と話す機会が多くてそういうのも好きですね。たとえば、冬に家の除雪を手伝って昔の話を聞くのも楽しいんだろうなって思います。基本的に「信濃町をよくしていきたい!」っていう思いがありますね。正直、何でもギブ&テイクだと思っています。たとえば、これ(取材場所の黒姫童話館の前に広がる山の景色)を見るのはテイク。なので、私は地域貢献をしたり、信濃町の良さを広めてギブしていますね。信濃町が好きだから、信濃町に来てテイクだけでなくギブもしたいなって思う人に、ぜひ移住してきてほしいです。地域のおじいちゃんやおばあちゃんの良いところをちゃんと残していきたいですね。

――最後にこれだけは言っておきたいということは?

いいまち、信濃町!!!

――ありがとうございました!

まとめ

磯谷さんのように山が好きな方にとって、さまざまな山へのアクセスがいい信濃町は最高の環境。四季の移ろいを肌で感じられるのも信濃町のいいところですね。

また、地域の方や移住者との交流は磯谷さんにとってかけがえのないもの。そういった方たちのおかげもあって、磯谷さんの中に「地域に貢献したい」という思いが強くあるのかもしれません。

いきなり「移住しよう」と考えると荷が重くなってしまいます。まずは信濃町の魅力を肌で感じるため、信濃町や近辺の山に遊びに来ていただければうれしく思います。

あなたの中で信濃町が、大切な場所になることを願っています。

ライター 廣石健悟

長野県飯山市出身。兵庫→京都→埼玉などを転々として2017年に長野県へUターン。
妻の実家がある信濃町の等身大の姿を、全国に広めていきたいと思っています。

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