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ありえない信濃町通信

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【田舎で起業】呑み屋らしくない呑み屋?!地元出身のオーナーが開く、Withコロナ時代の新しい交流の場「ちょい呑み屋 民」

ありえない、仕事

【田舎で起業】呑み屋らしくない呑み屋?!地元出身のオーナーが開く、Withコロナ時代の新しい交流の場「ちょい呑み屋 民」

コロナ禍で外食需要が減少し、厳しい状況が続いている飲食店業界。

そんな中で信濃町に新しい飲食店がオープンしたというので早速覗きにいってみると、呑み屋なのに呑み屋っぽくないことだらけのお店でした。

今回はWithコロナ時代のいなかまちで、新しいことにどんどんトライする“ありえない”飲食店のご紹介です!

\\ここがありえない!//

● 呑み屋なのに、内装がカフェにしかみえない
● オープンしてわずか1ヶ月で休業
● 調理経験ゼロなのに、お弁当つくってみたら注文殺到
● 呑み屋なのに、ヨガやマッサージが受けられる
● 呑み屋なのに、昼間はおばちゃんたちがカラオケしてる



今回インタビューをした方

カフェか呑み屋か、迷った末に選んだのは地元の意見

――外観からは想像できない、カフェのようなおしゃれな内装で驚いたんですが、呑み屋さんなんですよね?

民恵さん
そうです!実は最初はカフェがしたいと思っていて、オープンの2、3ヶ月前ぐらいまで、カフェにするか呑み屋にするか悩んでいたこともあって、内装も呑み屋というよりカフェっぽく作って欲しいとお願いしました。

――なぜあえて呑み屋にされたんですか?

民恵さん
漠然と「独立したい」と思いはじめてお店を開くことにしたんですが、何をしたいかはっきり決まってなくて、ナチュラルフードコーディネーターの資格を活かしたカフェをしようかなと思っていました。

でも周りに話をしていると、地元の人からは「飲めるところが少ないからつくってよ」という意見が圧倒的に多くて。わたしは調理経験がなかったので、居酒屋というほどの料理が提供できるか不安だったので、「ちょい呑み屋」にしました。

――地元の方の意見を重視されたんですね。

民恵さん
そうですね、カラオケも地元の人の希望が多かったので設置しました。

オープンわずか1ヶ月で、自粛休業へ

――オープンされた3月上旬は、ちょうどコロナウィルスの感染拡大が問題視され始めた頃ですが、オープンできるかなという不安はありませんでしたか?

民恵さん
不安でしたけど、もう決めちゃったからとりあえず開けよう!と。 でも営業を始めた3月上旬は自粛ムードが広がっているときだったので、チラシが出せなくて、オープンしたことを知らない方が多い状態でした。

――じゃあ宣伝はどうされたんですか?

民恵さん
信濃町の知り合いにすごく協力してもらいました。

正直わたしは信濃町で生まれ育ったのに、信濃町の遊び友達があまりいなかったんです。自分がよくやるウェイクボードとかで一緒に遊ぶのが、県外の仲間が多くて。

でもお店やるとなったときに、これまであまり接点のなかった同級生が、「あそこで友達がお店オープンしたから行ってあげて」って宣伝してくれたり、口コミで広めてくれたので本当に助かりました。地元の友達ってあたたかいなって思い直すきっかけになりました。

――それは本当にありがたいですね。でもしばらくお休みされている期間がありましたよね?

民恵さん
そうですね、4月に緊急事態宣言が出されてから約2ヶ月間、夜の営業は休業という形にしました。でも何かしないと、と思ってテイクアウトでお弁当を出し始めて、SNSで宣伝したり、友達にチラシを渡したりしていました。

5月に入ってから、役場の方(町の労働組合)がデリバリー支援の活動を始められたので、うちも協力してもらって、そこから結構テイクアウトの注文が入るようになりました。

お客さんの意見を反映した「ガッツリ肉」なお弁当が評判に

――わたしも周りの人に勧められて、民のお弁当何度かいただきましたが、すごく評判良いですよね。調理経験がなかったなんてびっくりしました!

民恵さん
本当ですか?うれしい!調理経験がなかったから、料理にこだわりがなさすぎて。お客さんに「どうだった?」って聞いて、どんどんお客さんの希望に合わせていったのが良かったのかもしれません。

最初は無添加のものとか、植物性のものとか、少しでも体に良いものを出したいと考えていたんですが、実際はそういうものは求められてなくて、信濃町の人はガッツリ肉を食べたいんだなってわかりました(笑)。 

――(笑)なんででしょう、信濃町はがっつり食べられるところがあんまりないからですかね。

民恵さん
都会だと新鮮な野菜ってすごく価値のあるものだと思うんですけど、信濃町だと皆さん自分でお野菜作っているから、その価値が違うんだと思います。だから今テイクアウトで出してるお弁当はほぼ肉メニューになりました(笑)。

イベントを開催して、飲まない人もお店に来るきっかけづくり

――お客さまは近隣の方が多いですか?

民恵さん
普段はほぼ町内の方ですが、イベントをやると町外から来られる方が多かったですね。

――イベントもされているんですね!

民恵さん
そうです、思いのほか大きなお店を借りることができたので、何かやりたいと思って。
はじめは友人が開店祝いとしてイベントをやろうよって言ってくれて、7月にベリーダンスの講師をやっている知人を中心に、ベリーダンスのイベントをしました。

今は場所貸しもしてて、毎週お昼にヨガとマッサージの先生に来てもらっています。

――まさか呑み屋でヨガができるとは!他にもイベント企画されているんですか?

民恵さん
8月はカラオケ無料デーとして毎週日曜にお店を開放しました。カラオケ好きのおばさま方や、ご近所のおばあちゃんたちも来てくれました。お店に入ってみたいけど、お酒を飲まないから入りにくいなあって思っていらっしゃったみたいで、「カラオケはしないけど見に来たんだよ~」って来てくれて。

――飲まない人も遊びに行ける呑み屋、いいですね!

民恵さん
この店舗が以前はスナックのようなお店だったらしくて、地元の人にはそのイメージが染みついてるみたいなんですね。だからそのイメージを払拭するのに苦労しています。そのためにも、一度みんなに店の中を見てもらいたいって気持ちがあって、イベントをして昼間にもお店にきてもらう機会を増やしたいんです。

――小あがりがあるし、広いから密の心配がなくて、お子さん連れでも来てもらえそうですよね。

民恵さん
ファミリー向けのワークショップも企画中です。クラフトやってる方とか作家さん集めてやりたいなあって。あとは場所貸しは誰でも利用していただけるので、このあいだはカラオケ好きのおばさまグループが来てくれたんですけど、ママ会とかにもぜひ使ってもらいたいです。

コロナ禍で再発見した、地元のあたたかさ

――大変な時期にオープンされたわけですが、その中で気づいたことや得たものはありますか?

民恵さん
コロナがなかったらお弁当は絶対作ってなかったので、いい勉強させてもらっています。近所のおじちゃんがお昼前にふらっと来て「今日弁当いいかあ?」って言ってくれることがあったり。近所の方がすごくフレンドリーで、お野菜持ってきてくれたりしてとっても嬉しいです!

少し近寄りがたいと思っていた役場の方とも、今回ご協力いただいたことで仲良くなれたり、お友達がすごく助けてくれたり、地元の人のあたたかさを改めて感じることが多くありました。

――この時期に、地元の信濃町でお店を開かれたからこそ気づけたことですね。

民恵さん
生まれ育った町を活性化したいというか、信濃町も楽しいじゃんって思ってもらいたいなと思って信濃町でお店をすることにしたので、地元のつながりが増えて嬉しいです。地元の人に限って、あまり町のことを知らなかったりするので、そういうの(情報と人)をつなげていけたらいいなあって。

――昨年受講された信濃町の起業塾でも、横のつながりができたみたいですね?

民恵さん
そうですね、今年同じようにお店をオープンした人とかがいるので、同期生たちとはいまだに行き来があります。起業塾では、全く未知の世界だった事務的なところを勉強できたのも良かったですが、同期生と知り合えたのもとても良かったです。

「起業塾(起業等人材育成支援事業)」とは


信濃町で新しい事業を起こす起業家の方、または既存の経営の改善・変革となる「第二の創業」を目指している経営者の方、若手経営者及び後継者、幹部育成のために、経営者としての心構え~収益性・資金調達方法~経営計画(ビジネスプラン)作成までを具体的な起業事例等を交えながら、体系的に学ぶ機会を提供し、参加者の起業等に対する包括的な支援を行ないます。


出典:起業等人材育成支援事業(信濃町)

――今後の目標はありますか?

民恵さん
人に集まってもらえたほうがやっぱり楽しいけど、今はたくさん人を集めるってことができないので、ここをみんながいつでも立ち寄れる場所にしたいです。
お酒飲まない人でも、ちょっと寄っていこうって感じで全然大丈夫なので、誰でも気軽に入れる居心地のいい空間をつくっていきたいです。

“ご近所に愛されるお店”がWithコロナ時代のキーワード?

夜に人の集まるお店へ出歩くことや、他地域への往来することに慎重になっている人が多くなっている一方で、今まで素通りしていた近所のお店に足を運んだり、近場でできることに改めて目を向けたりするライフスタイルに、楽しさを見出している人も増えているように思います。

「ちょい呑み屋 民」の場合は、観光客向けではなく地元向けのお店としてオープンし、 地元の意見やつながりを大切にすることで、コロナ禍以降の新しいライフスタイルに対して柔軟に対応していると感じました。

いろんな地域から来てもらえる話題性が高いお店、というのを目指すのもいいですが、こんな風に地元を大事にしてくれるお店というのが、今の時代のいなかまちで本当に求められているものなのかもしれません。

ちょい呑み屋 民(みん)
営業時間:18:00~23:00
定休日:日曜日
住所: 長野県上水内郡信濃町穂波405-1
TEL: 026-262-1444
Instagram: https://www.instagram.com/choinomiya_min/
※現在スタッフ募集中!ご興味のある方は電話でお問い合わせください。

ライター よしし

兵庫県出身。2019年に信濃町に移住してきました。仕事の空き時間を見つけては野尻湖に浮いたり、森歩きをしたり、愛猫4匹とゴロゴロしたりするのが至福です。

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