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ありえない信濃町通信

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お薬を渡すだけが薬局じゃない。地域のコミュニティを目指す「むすび野薬局」が素晴らしい

ありえない、仕事

お薬を渡すだけが薬局じゃない。地域のコミュニティを目指す「むすび野薬局」が素晴らしい

信濃町を知る人も知らない人も、こんにちは。
長野の山奥にある「ありえない、いなかまち」それが信濃町です。
3ヶ月前に東京から移住をしてきた野田クラクションベベーと申します。

2018年11月に信濃町で新規開設した「むすび野薬局」さんは、店舗内にオープンスペースを設けたりと薬の販売だけでなく、地域との関わりも大切にしたホスピタリティ溢れる薬局です。
今回は移住したきっかけやこだわりの店舗についてお話を伺ってきました!


今回のインタビューの人はこの人たち


信濃町で薬局をやろうと思ったきっかけ

山に囲まれた景色に惚れてしまった

ー信濃町で薬局をやろうと思った理由を教えてください。

ひでひこさん
1番の理由は景色ですかね。信濃町の景色は全国的に見ても独特で、大きな山(妙高、斑尾、黒姫、飯綱、戸隠)などの独立峰に囲まれているから、どこを見渡しても雄大な山々に囲まれた景観が魅力的なんですよ。

もうひとつは妻(みちよさん)の実家があり、子どもたちとおじいちゃん・おばあちゃんとのふれあいを大事にしたかったんです。

ー景色、子育て…。僕も信濃町の景色に惚れて移住してきたので、なんなく気持ちがわかります。

ひでひこさん
たしかに、長野市とかの方が交通の便など良いのですが、だったら長野県じゃなくてもいいんじゃないかなって(笑)

ーものすごいわかります! 信濃町っていい意味で振り切れてますよね(笑)。とはいえ、車を少し走らせれば長野市に行けるし、この微妙な距離感がすごい魅力的だなぁ…と。
信濃町に移住する前はどちらにいたんですか?

ひでひこさん
元々は長野県千曲市で生まれて大学進学で北海道に行ったんですよ。しかし大学在学中に親の不幸があり、卒業と同時に長野県に戻ってきました。信濃町との出会いは信濃町の町立信越病院に就職したのがきっかけでしたね。

そのときに妻にも出会い、お付き合いをはじめました。3年ほど病院勤務を続けた後に大学時代にお世話になった北海道に移住をして、結婚。妻の出産を迎えました。

ー長野から北海道に! また、なんで北海道なんですか?

ひでひこさん
北海道は空が広くて、平野的じゃないですか。そういう場所で働きたいと思っていたんです。

とにかく、景色のいいところに住みたい。それがベースになっていますね。そう考えると景色を求めて点々としていますね。

ー北海道を経て、信濃町に戻って来られたんですか?

ひでひこさん
いえ(笑)。実は一度白馬に住んでいました。北海道の平野の景色ばかり見ていたら、逆に垂直の景色を見たくなったんです。白馬で何年か暮らして、次に小布施町に引っ越しました。

温もりを感じられる「ログハウス」で、町の人が気軽に立ち寄れる場所を作りたかった

▲目の前には信濃町の人が足を運ぶ「第一スーパー」さんがある。

ースーパーの前に薬局を作った理由はあるんですか?

ひでひこさん
「人が集まりやすい場所」というのが理由のひとつにあります。一般的に調剤薬局というのは病院の横にあると思います。私たちは気軽に相談できる薬局にしたいという想いがあって、町の人が集まりやすいスーパーの前にお店を作らせてもらいました。

▲薬局とは思えない見た目でかわいい

▲ペレットストーブがじんわり体を温めてくれる

ーつまりは、風邪を引いたから薬局に行くのではなく、特に理由がなくても気軽に立ち寄って欲しいということですね。ちなみに、ログハウスの薬局というのも珍しいと思うのですが、何か理由があるのでしょうか?

ひでひこさん
木の温もりって落ち着くと思うんです。私の家もログハウスですが、やっぱり居心地が良くて…。お客さんにも木の温もりで少しでも落ち着いてもえたら良いな。と思っています。

ー「むすび野薬局」の名前の理由を教えて貰えますか?

ひでひこさん
病院…医療の世界は「お医者さん」だけ、または「薬剤師さん」だけでは上手くいかないんです。いろんな人たちが協力し合うことがすごく大事で、少しでも多くの人が幸せな人生を歩めるようになればいいな〜と。人と人との繋がりや結びつきになる場であるように。という想いを込めています。

病院で最後を迎えるよりは、自宅で愛する人たちに囲まれながら人生を終えたほうが幸せだと思うんです。そういった人を少しでも増やせるように、「訪問看護師ステーション」と「薬局」を一緒にすることにしました。

四季を肌で感じることができる信濃町がやっぱりいい

▲店内からは黒姫山を一望できる

ー信濃町に戻ってきていいなぁ〜と思うことはありますか?

みちよさん
私は信濃町出身なんですけど、季節がはっきりしているところがとても好きですね…! 冬になると、なんとなく寂しく感じますが、雪が溶けて日差しが温かくなるとなんだか嬉しくなります。雪の大変さがあるから春夏が待ち遠しく、花が咲く頃はすごく嬉しくて、そのメリハリがすごくいいバランスになっています!でも、雪は雪で、晴れたときはすごく綺麗なんですけどね(笑)

ー四季のメリハリがいいですよね…。ものすごいわかります。

ひでひこさん
働きやすさとかもあるけど、「癒やし」って絶対に重要だと思うんですよね。

みちよさん
そうね。冬の大変さや交通のちょっとした不便はあっても美しい景色がある信濃町と、便利だけど窮屈に感じる都会だったら、美しい景色の見れる信濃町の方が魅力的だよね。

ーだから、窓から美しい景色を見れるようになっているわけですね。素敵だなぁ…。今後の展望ってありますか?

ひでひこさんみちよさん
まだまだ手探り状態だけど、誰でも気軽に遊びにきてほしいですね!感覚でいうと、近所のおばちゃん家に行くような軽い感じで(笑)

ログハウスの温もりと村山夫妻の優しさに会いに行こう

処方箋を渡して薬を貰う無機質なイメージの薬局ではなく、むすび野薬局は特に用事がなくても、ふらっと立ち寄れる憩いの場所。ログハウスの温もりと村山夫妻の優しさが町の人たちを引き寄せ、信濃町にとってかけがえのないコミュニティになっていくに違いありません。

ぜひ、信濃町に行った際は気軽に立ち寄ってみてくださいね!

むすび野薬局
〒389-1313 長野県上水内郡信濃町古間846
TEL:026-217-7119 営業時間:月〜金 8:30~17:30 土曜日:9:00-13:00 定休日:日曜日 祝日

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