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【イベントレポート】信濃町しあわせ会議 - ウェルビーイングから生まれる新しい社会

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【イベントレポート】信濃町しあわせ会議 – ウェルビーイングから生まれる新しい社会

最近いろいろな場面で使われるようになった「ウェルビーイング(Well-being)」という言葉、知っていますか?Well(良い)とbeing(状態)がかけ合わさった言葉で、個人と社会が”良い状態”にあることを指します。そうはいっても、何が”良い状態”かは人によってそれぞれ違うもの。ひとりで考えるには少し難しいテーマかもしれません。

2024年6月1日(土)、長野県信濃町では、この「ウェルビーイング」という考え方を通して信濃町ならではの“しあわせな暮らし”について、いろんな人の意見を聞きながらみんなで一緒に考える「信濃町しあわせ会議」を開催しました。

当初の募集人数は30名でしたが、町内外からたくさんの申込みがあり、当日はスタッフ含めて約60名が熱く語り合う、にぎやかな会となりました。今回はその様子をレポートします!

アウトドアでの青空会議!会場はやすらぎの森オートキャンプ場

当日は天候に恵まれ、やすらぎの森オートキャンプ場の広々としたスペースで、気持ちの良い風を感じながらの開催となりました。参加者の中には「今からどんなことがはじまるのだろう?」と少し緊張している様子の方も見受けられましたが、会場の開放的な雰囲気が、参加者の気持ちをほぐしてくれたようです。

開会前から講師や参加者同士が気軽に交流。次第に参加者が集まってきて会場がにぎやかになってきました。

お茶やお菓子の準備も整って、いよいよ開会です!

講師にはウェルビーイング研究の第一人者をお迎え

講師 前野隆司先生(写真右)

慶應義塾大学大学院教授、武蔵野大学ウェルビーイング学部長・教授

東京工業大学工学部機械工学科卒業後、同大学院修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、現職。認知心理学、脳神経科学、倫理学、統計学、工学などの研究を統合した「幸福学」を提唱し、個人と人類の幸せ(well-being)について研究している。

ファシリテーター 中村一浩さん(写真左)

株式会社Project Design Office 代表取締役、武蔵野大学ウェルビーイング学部准教授

ベンチャー企業での営業、(株)ミスミでの商品開発、(株)リクルートでの新規事業立ち上げの経験を経て、事業構想大学院で事業構想修士を取得。「事業(自業)を生み出す人を増やしたい」という思いから、株式会社Project Design Officeを創業。「小布施インキュベーションキャンプ」を主宰し、人びとのクリエイティビティを生みやすい環境づくりに取り組む。

まずは自己紹介!知らない人5人と話してみよう

ファシリーテーターである中村さんの「今日この場に来ている人のことを知りましょう!」という呼びかけのもと、参加者同士の自己紹介タイムがスタート!

みんな席を立って、5人以上の初対面の人と話すことを目標に、お互いに自己紹介をします。話してみると意外な共通点があったり、遠方から参加していることが分かったりして、話が盛り上がって止まらない様子の方もちらほら。
(実はこの中には、一参加者として話に加わる町長の姿も・・・。)

さらに、今回東京からはるばる足を運んでくれた武蔵野大学ウェルビーイング学部の学生さんにもそれぞれ自己紹介をしていただき、なぜウェルビーイング学部に入ったのか、なぜこのイベントに参加したかなどを教えていただきました。普段あまり聞くことのない現役大学生の新鮮な意見に、会場からは自然に笑顔が生まれ、驚きの声もあがっていました。

前野先生による講演&ワークショップ「ウェルビーイングから生まれる新しい社会」

プログラムは、前野先生による講演へ進んでいきます。
前野先生はご自身のウェルビーイングや幸福学の研究の中で、幸せには4つの因子(①「やってみよう」因子 ②「ありがとう」因子 ③「なんとかなる」因子 ④「ありのままに」因子)が重要であると整理されています。それを可視化するために前野先生の研究室の学生が作ったという「しあわせ応援シート」が参加者に配られました。

参加者はこのシートの項目をそれぞれ埋めた後、5~6人のグループをつくって、シートにどんなことを書いたか順番に共有していきます。

お互いに話したことを応援し合うので、グループの輪の中ではポジティブな言葉と笑顔が飛び交って、なんだか皆うれしそう。

グループ内での共有の後は、グループごとにどんな話をしたかを全体に共有します。
「自分がどうありたいかという個人的な話から、地域活性化の話まで広がって前向きになれた」
「参加者同士の距離が縮まった」
などの感想が挙がり、前野先生はこれについて、「幸せについて話すと、オープンになり、元気になり、そして笑顔になる」と、幸せについて対話する場を持つことの重要性を語ってくださいました。

ワークショップ「信濃町ならではのしあわせな暮らしとは」

プログラムもいよいよ後半。少しずつ日が落ちて肌寒くなってきたので、焚き火を囲みながら、今度は「信濃町ならではのしあわせな暮らしとは何か?」というテーマでグループ内で意見を出し合います。

町外からの参加者からは、自分の出身地や都会との比較の話が出たり、町内からの参加者からは、田舎ならではの良さ、例えば近所付き合いや助け合いについての話が出たり。それぞれの立場ならではの意見が交換されて、どんどん話が深まっていき、参加者の表情も真剣になっていました。

グループでの意見交換の後は、再び全体にむけて発表です。
「地域活動には楽しさとやりがいがある」
「雪深い地域だけど、信濃町は『なんとかなる町』。ポジティブで楽観的な人が多い」
「不便だからこそ、季節や天候に合わせて等身大に暮らすという幸せがある」
など、信濃町ならではの自然の豊かさや田舎らしさについての意見が多くシェアされました。

最後には、「この会をこれから定期的に開催していくべき」、「どうやったらこの場に来ていない人にここで話したことを広げていくことができるか」というような意見も挙がり、「しあわせ会議」の名にふさわしい前向きな雰囲気で会が締めくくられました。

最後は講師のお二人と参加者、スタッフ全員集まって、しあわせな笑顔でパチリ!

皆さんありがとうございました!

信濃町しあわせ会議のアーカイブ映像はこちら↓

今回のイベントの感想 参加者の声

● ファシリテーターの中村さんの紹介でこのイベントを知った。初対面の方ばかりだったのに、熱い話ができてとても感動した。屋外の開放的なこのロケーションにいるだけで幸せを感じた。(新潟県長岡市在住・男性)

● 前野先生の研究室に在籍していて、今回自然の中でのイベントということで興味を持った。信濃町は初めて来たが、学生、移住者、県外者、町内者と、参加者に多様性があってとても良いと思った。色んな人の話が聞けて勉強になった。(神奈川県川崎市在住・女性)

●前野先生をテレビで拝見して知っており、信濃町に来られると知って参加を申し込んだ。前野先生の講演だけかと思っていたが、全然違った。知らない人とこんなに話したのは初めて。結論は出ない会だったが、その分いろんな意見が聞けて感動した。(信濃町在住・女性)

●「信濃町」「しあわせ」というキーワードに惹かれて参加。はじめは少し緊張したが、最高に楽しかった。グループ発表にあった「なんとかなる町」という表現が、信濃町町民の主体性とやる気を表しているようで、とても良いと思った。移住したばかりのころの気持ちを思い出した。(信濃町在住・男性)

ライター よしし

兵庫県出身。2019年に信濃町に移住してきました。仕事の空き時間を見つけては野尻湖に浮いたり、森歩きをしたり、愛猫4匹とゴロゴロしたりするのが至福です。

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